インタビュー

パソナ・シーズクラブに参加し、
独立起業された方々のエピソードをご紹介します。

大手メーカー勤務から、
新規事業開発コーチ・コンサルタントへ

大手総合電機メーカーで商品開発や新規事業開発を担当。その経験を活かし、自身のコーチ・コンサルタント会社を起ち上げる一方で、コーチングスクールの講師としても活動されています。
(取材日:2024年1月)

株式会社プリミス 代表取締役/銀座コーチングスクール横浜校 講師 白神 敬太 さん (57歳)

現在の仕事

企業の商品開発や新規事業のサポートを行っています。手法としてはコーチングとコンサルティングを掛け合わせたような感じですね。コンサルティングは問題の解決策を教えるものですが、コーチングはクライアントと話し合いながら、クライアントのなかにある答えを引き出していくというスタイルです。

前職の仕事について

28年間総合電機メーカーに勤めました。最初は設計の仕事からスタートし、その後は希望した商品企画の部署に異動し、新規事業開発やマーケティングを担当しました。商品企画では記録メディアの全世界向けプロジェクトのリーダーも任されました。その後、社内に業務用のソリューション事業を行う部署ができるということで、そちらに移り、業務用サービス事業の起ち上げを担当しました。

新事業を考え始めたきっかけ

50歳の頃、力を入れていたプロジェクトが諸事情で頓挫し、目標を失ってしまったんです。その後、悶々とした2年間を送って。役職定年が53歳なのですが、「あと1年で役職定年だけど、どうしよう」と考え始めました。そこで、起業や資金調達のセミナーに参加してみたところ、起業を目指しているのに、事業計画もなく、リサーチもしていない参加者の方が多くて。前職では事業を起ち上げる際には、綿密なマーケティングリサーチを行って、企画書作成が当たり前だったので、びっくりして。それを話したら、「手法を教えて欲しい」「それを仕事にしたら」と言われて。そうした需要があることがわかり、その後、知人で現在コンサルタントをやられている方を訪ねて、お話を聞かせてもらうようになりました。

在職中に副業をスタート

商品開発の仕事が好きで、長年携わってきたので、「商品開発のコンサルタントって成り立つのかな」と思い、会社に副業申請を出し、トライアルのつもりで始めてみました。ところが、全然うまくいかない。スキルがなかったんですね。そんな時、あるクライアントさんから「コーチングを勉強してみたら」と言われたことがきっかけで、現在わたしが講師を務めるコーチングスクールに通うようになりました。コーチングを学んで、それを実践してみると、こちらが一生懸命教えなくても、相手がどんどんやる気になり、うまくいくケースが増えて、会社内のプロジェクトも良い感じで回るようになりました。コーチングが自分に最も合ったスタイルでしっかり学べば、商品企画のコーチになれるかもと思い始めました。

独立を決断

副業を続けながらも役職定年後に会社に残るか、転職するか、独立するか、決めかねていました。そこで、パソナさんが運営するキャリア相談ブースで相談したところ、独立を後押しされて。コーチングスクールでもコーチングの手法で真意を問われ、本当は独立したいけれど、一歩が踏み出せない自分がいるということが見えてきて。とはいえ、子どもの教育費や家のローンもあるので、パソナさんにアドバイスをいただだいて、その後の収入についてシミュレーションを行い、2年がんばってうまくいかなければ再就職することを家内と約束して、独立を決めました。会社で早期退職プログラムの話が出てきたことも後押しになりました。

パソナのサポートについて

パソナさんには退職後の独立サポートでもお世話になりました。まずは個人事業主と会社起ち上げの違いから教えていただきました。こちらの進捗に合わせて、質問をメールしての回答や面談で相談したりというスタイルだったので、計画的に進めることができました。起業された方々の交流の場「シーズクラブ」にも参加させていただき、先輩方のお話に勇気をもらいましたし、「領収書はすべて取っておいたほうがいい」など体験に基づいたアドバイスもいただくことができました。

独立開業を果たして

2020年3月に会社を役職定年待遇で退職し、パソナさんのサポートを受けながら準備を行い、同年7月に株式会社の登記を行いました。ところが、独立開業したものの、コロナ禍の真っ只中でまったく仕事が来ません。しばらくそうした状況が続いたのですが、パソナさんの紹介で登録していたパソナJOBHUBさんのマッチングのプラットフォームから1件オファーをいただき、ある会社さんの新規事業をサポートしました。それが実績となり、次第に仕事が増えていきました。おかげさまでいまは充実した日々を送っています。

独立を志す人たちに向けて

「やりたい」と思っていることがあるなら、「考えるよりもまず行動してみる」ことが大切だと思います。失敗しても、それがすべて経験値になりますし、誰も見ていないので恥ずかしがることもありません。わたし自身、いっぱい失敗しましたが、やってみたからわかったことがたくさんありました。リスクマネージできる範囲であれば、明日からでも行動することをおすすめします。

パソナ独立セカンドライフ支援コース コンサルタント 吉清 和芳

前向きになんでもチャレンジしていくその姿勢や、人や組織との繋がりをとても大事にし、そして何よりも『誰かのお役に立ちたい』『課題に直面して困っている人を助けたい』という大きな熱量を感じたことをよく憶えています。起業した時には顧客開拓で苦労もされましたが、「まずはやってみる、やってみないとわからない!」というチャレンジの積み重ねが新しい世界を切り開いたように思います。これからも一人でも多く少しでも多く『社会へのお役立ち業』でのご活躍を祈念しています。