インタビュー

パソナ・シーズクラブに参加し、
独立起業された方々のエピソードをご紹介します。

広告代理店勤務から、
自前の稽古場を持つ茶道講師に。

大手広告代理店を早期退職。
2023 年7 月に東京・神楽坂に茶道の稽古場「好日軒」を開設し、かねてより行っていた茶道教室を本格的にスタートされました。
(取材日:2023年12月)

茶道教室「好日軒」 講師 神尾 宗雅 さん (60歳)

前職の仕事について

広告会社には38年勤めましたが、最初の25年くらいは営業職で、とても楽しく仕事をしていました。印象深い仕事としては、20代の頃に担当していた製紙会社の案件です。銀座の本社ビルの建て替えにあたり、地域貢献の一環としてビル内にクラシックのコンサートホールをつくることになり、そのお手伝いをすることになって。そもそも広告会社が行うような仕事ではないので、先輩と一緒に四苦八苦して、泣きながら頑張りました。そのおかげもあって、いまでも評判の高いコンサートホールをつくるお手伝いができました。辛かったけれど、誇りに思える仕事になりましたね。退職前の7~8年間は人事の仕事をしていました。労働時間短縮やダイバーシティ推進など社内改革の取り組みを担当し、大きなやりがいを感じていました。

茶道との出会い

茶道は20歳の頃に先輩の紹介で始めました。先生が素晴らしく、相性も良かったようで、他の習い事は全然続かないのに、お茶だけは長く続けられました。10数年前、その先生から「お茶をもっと勉強したいなら、誰かに教えたほうがいい。その際はいくらでもいいから謝礼をもらって教えるようにしなさい」と言われたことがきっかけで、お茶を教えるようになりました。最初は「ぜひ習いたい」というお友達を生徒に、お菓子代程度の月謝でスタートしました。

早期退職を決意した理由

会社に勤めながら茶道を教えるという生活を送っていましたが、10年以上も教室を続けていると、お弟子さんは増えてきますし、いろいろな席に呼ばれることも多くなり、時間が足りなくなってきて。ちょうどその頃、会社で早期退職の話が出てきて「それもアリだな」と考えるようになりました。先輩のなかには早期退職されて充実した日々を過ごされている方もたくさんいましたしね。わたしも早期退職を決意したのですが、会社の仕事自体は面白かったので、すぐには辞めず、1年間会社員を続けた後に退職しました。

開業にあたっての不安や苦労

開業して今まで以上にお茶をきちんと教えていくにあたり、まずは自身の稽古場を探すことから始めました。会社勤めをしている時から、土日を使って物件探しを行いましたが、お茶室として貸してくれるところがなかなか見つからなくて。通常、お茶室は住まいの一室にしつらえるケースが多く、わたしのように独立した稽古場を持つという人は少ないんです。なので、一軒家やマンションの一室を借りて改築することも考えて、それが可能な物件を見つけても、場所が不便だったり、お庭との方角が合わなかったり・・・。約半年かけて探しまくって、ようやく神楽坂に物件を見つけることができました。
開業資金についても当初は不安がありました。わたしは子どもがいないので、それなりに貯えがありましたし、退職金もあったので、それを思いきって開業のために使おうと決めました。改装費用が相当掛かったのですが、残った資金を使えば、たとえ無収入でも10年は家賃を払い続けられる。最低でも10年、うまくいけば20年は茶道教室を続けられるという目処で始めました。

パソナの独立サポート

会社の早期退職プログラムのなかにパソナさんの独立サポートが付いており、「ぜひ活用したい」と申し込みました。退職して独立すると決めていても、まず何をすればいいのか、ちんぷんかんぷんでしたので、パソナさんのサポートはとても助かりました。たとえば、開業に必要な届けを税務署に提出するなど、行うべき手続きなどについて教えていただきました。わからないことをメールすると、担当の方がまるで専属トレーナーのように丁寧に教えてくださるので、心強かったですね。また、パソナさんで開催しているホームページの作り方や財務会計に関するセミナーなどにも参加させていただき、とても勉強になりました。ちなみに茶道教室のホームページは、パソナさんのセミナーで教わったソフトで教わった通りにつくっています(笑)。

開業を果たして

2022年12月に会社を早期退職して、2023年7月に茶道教室を開業しました。希望通りの稽古場が出来上がり、生徒さんたちにも良い環境で学べる場を提供できるようになりました。時間の余裕もできてこれまで行きたくても行けなかったお茶に関係するいろいろな勉強にも通い始めました。開業したいまはお茶一本に集中できるようになり、とても充実感を感じています。

これから独立を志す人たちに向けて

いちばん大事なのは、自分がやりたいことを見失わないことだと思います。それをしっかり持ち続けた上で、パソナさんを信頼してサポートしてもらえば、やりたいことの実現に向けて、力強い味方になってくれるはずです。

パソナ独立セカンドライフ支援コース コンサルタント 道免 久志

神尾様は明確な方向性をもたれていましたので、初回の面談から具体的な相談を受けました。また、店舗型事業は物件探しに時間がかかるのですが、在職中から物件探しを始められていたことで、退職後は比較的短時間で夢を実現されました。担当としても密度の濃い時間を過ごさせていただきました。開業後にはお茶室にお招きいただき、コンサルタント4名でお邪魔して貴重な経験をさせていただきました。これからのご健勝とご活躍をお祈り申し上げます。